2011年2月24日木曜日

日本滞在記ー第14話~「たけはら」


2月19日、朝9時半を過ぎる頃、僕はすでに駅に居た。

前日寝る前、
適当に”古い町並み”と言うキーワードで拾い上げた微かな情報をあてに、
東広島の旅に繰り出してた。 

向かうは「竹原」
白い壁と飴色の格子が未だに残る、いにしえの町。


特に何も考えず、適当な時間で家を出たわけですが、
うれしい事に、一日に数本しかない特別列車の発射時間にどんぴしゃ。

「瀬戸内マリンビュー」と言うこの列車は、今では珍しい気動車列車。
もう当たり前のように電気化された列車が走り回る日本ではホント珍しい。
走行最中たまーに気笛が鳴ったりして、かなりユニークでした。

車内は船をモチーフした粋な内装だけじゃなく、
車外の景色がよく見れるような椅子配置は観光旅人としては特に嬉しい。

この予期せぬ素敵な出会いで、目的地に着く前から気分は最高潮。
こういう素晴らしい不意打ちがあるからこそ、旅行は辞めれないなw





よく考えてみたら、この日本に来た1ヶ月ちょっとで、
僕はもう大阪、茨城、東京と広島の東西両地を何度も往復していたんだね。
試験に追われ、その地その地を楽しむ余裕などほとんどなかったのが事実だけど、
ホント惜しい事をしたわー。 
茨城なんってこの一生、二度目行くかどうかすら分からない場所なのにね。
もっとじっくり歩いて見回りたかった。



1時間50分にも及ぶ長い列車上の時間は、
窓から眺めれる瀬戸内湾の景色を追っている内に、気づいたら目的地に到着していた。



駅から出てすぐ右手側で凄く目立つ案内所がありましたので、
とりあえずおすすめ地点など聞いてみようかと入ってみましたが、
案内のお姉さんが観光パンフレットを何種も渡してくれて驚いた。
うちの国だと案内どころか地図一枚渡して終わりだぞw


しっかしどのパンフレットもよく出来てて綺麗ですわー、
なんか行く事も無い場所の紹介パンフもついつい頂いちゃうw


・・・・結局全種貰っちまったの図。



僕は町並み保存区を目当てに竹原に来た訳ですが、
竹原の名物はその名通り「竹」であり、古くからの「塩」の産地としても有名。
町並み中の売店では竹の作り物や、塩関連の販売物が多かったです。

そして今回、僕が来た時期が丁度ひな祭のイベントをして居たので、
至る屋敷内に由緒正しい古物雛人形が飾られてました。
中には明治、大正それ以前、江戸時代の貴重な物までありました。


でも正直な感想、日本人形こあい>< 夜中で髪の毛伸びてそう;;



まぁ綺麗なお人形さんはこれで、
本来の目的、町並み散策に話を戻しましょう。








僕の国にもさ、こう言う古来の町並みを再現したテーマーパークがあるんだ。
そういう物だと想像していた。
しかしここは違った。イメージしてたのと全く違っていた。いい意味で。

人が住んでるんだよここ、普通にここで人が暮らしてる事に驚いた。
夜6時過ぎたら、ハイ閉園ガラガラ~って訳じゃないだな、これがw

重要文化財という建物もあるから流石に全部とは言えないけど、
ちゃんと一軒一軒この古い建物に人が日々過ごしてると思うと、感動してきた。
そして憧れてしまう。
ここで生まれ、ここで育ち、ここで暮らし、そしてここで朽ち果てていく。
そのすべてに憧れる。

まぁ当地の人間からしたらクソ不便で田舎なとこのどこがいいのか、
と多分思われちまうかもしれないけど、
僕は日本のこう言う歴史や文化と共存する、そして大切にする気持ちに、
最大の敬意を申し上げたい。

僕はとっても歴史が好きなんだ。
大好きな歴史の先生がこう言ってた。歴史は人心を映す鏡である、と。
歴史知らずして己をどう知るか。

よく中国は四千年の歴史とやら語られるが、中国人は一度歴史を否定している。
文化大革命と言う愚か極まりない行為で全て否定していた。
それだけにとどまらず破壊尽くそうとした。
なのにいまさら都合のいい時にだけ文化を自慢しようとする。
今の中国人に歴史を語る資格など無い、何故ならば心が備わってないから。
文化歴史は形だけの物じゃないんだ、心がなければそれはただの遺物でしかない。

だから僕は日本が大好きなのさ。
どう時代が進歩していく中でも、ちゃんと古来の伝統文化を大切にしているとこが。
こう言う町並みを眺めていて、
僕は今一度日本人と言う心を認識できたと、感謝せずにいられない。



さて、古い町並みときたら、古寺とかにもお参りしないとね!
こう写真ばっかとってるように見えるかもしれないけど、
ちゃんとお賽銭入れて拝んでるんだからっ。




保存地区中にあるお寺は主に「長生寺」「西方寺」「照蓮寺」の3箇所ですが、
特にオススメするのが西方寺の境内奥に聳える「普明閣」
本堂からの上から町を見下ろす景色がまさに絶品。 
保存区だけに留まらず、竹原市内が一覧できちゃいます。



写真は意地悪く一歩引いたとこで撮ってますけどw
ここは是非一度足を運んで見てください。

実はここで夕日が見たくて、2度もここに昇ったんですよねw
保存区を回り終えて、そのまま美術館まで歩き、午後4時半くらいに、
もう一度保存区まで戻ってきて、二度目の普明閣へw
それほどここの景色がお気に入りなんですよw 

他にも松阪邸、吉井邸、宝寿酒蔵交流館、民俗資料館など回ってみたり、
お昼は当地の有名なお好み焼き店「ほり川」でひな祭期間限定のメニューを食べたり、
(お店の中が凄くいい雰囲気だけど、流石に写真は撮れませんでした)
古き良き小路をゆっくり見物したり、ホント充実した一日でした。

今まで日本に遊び来ても、滞在時間の短さにより、
大都市の市中心、代表観光地を回るだけで、
こう言った地方民俗文化部分に触れる機会が全く無かった。
マジ今まで何しに日本来てたんだっと思うほどいい体験が出来たわ。

さて、次はどこへ旅に出ようかな。


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