2011年5月14日土曜日

日本滞在記ー第16話~「おのみち」


瀬戸内海ふらり旅、今回は東広島の古くから賑わってる港町、尾道へ。
尾道と言えば、ラーメンが有名ですね!

まぁ逆に言えば、尾道でラーメン以外で何が有名なモノは無いのか、
地元人じゃなければいまいちぱっと思い浮かばないでしょうけど、
古街道マニアの僕がわざわざ足を運んできたのだから、
勿論ラーメン食ってハイ、さいならって話じゃあ済みません。



 
駅の中で観光案内所があります。
竹原の時は駅横の建物だったのですが、ここでは駅内で二人のお姉さんが案内役を担当してました。
竹原の時も思いましたが、尾道は更に想像を上回るほど観光パンフの種類が多い!
こう言うパンフ集めるの大好きなんだけど、一気に沢山取ると少し恥ずかしいやなw







冒頭でも言いましたが、
尾道は港町で駅を出たら、
すぐ目の前に海が広がってました。
しかし、それより僕が驚いたのは、
山も物凄く近い!







海ー町ー山
まさにこんな感じ。

前を見りゃ海、後ろ振り向けばすぐ山。

そして、鉄道が通る左右に街が広がる。

まるで絵で書いたような、
古き良き時代が目の前に生き写しですよ!








あまりの絶景、と言うか自分好みの景色に魂もってかれて、
ひと時呆然と駅前で立ち尽くしてましたが、こりゃますますこの街を隅々まで見たくなりました。

して、先ほど頂いたパンフレット地図を開き、
今日一日で回れるルートを見定めてみる。

しかし見れば見るほど行き先に迷う。
それもそうだ、この尾道一つで文学、仏道、古跡、自然とスポーツと更にグルメまで、
観光の至るニーズが必要とするポイントが全て充実している。
たった一日で半分も回れるか心配してきた・・・



取り合えず、まず一番駅に近い当地の商店街を回る事にしました。






修学旅行で、
何故か買ってしまう木刀、

ここも旅先で、真剣一本を・・

っと思ったが、
流石に値段が値段でした。

そもそも買えても国に持ち帰れない。




かつて尾道の商業会議所も、

今では観光案内所と改築されてました。

本来使われてた会議所は二階に保存されてます。

一階の展示場は、
丁度尾道を舞台として上映されたドラマ
「てっぱん」の撮影道具がおいてありました。

でも残念ながらこのドラマは見たことないんだよなー。




古き良き時代の銭湯、大和湯。

今は営業をしてないようですが、
つい20年前まで本当に使われてたようです。


そもそもうちの国だと銭湯という施設はないもので、
そんな風呂場的な建物が、
商店街ど真ん中にあると言うことだけで凄い。






餅屋さん!
今日の出し物作りに勤しんでました。


作りたての餅はホカホカで美味しそうでしたw


ここでふと思い出したけど、
やはりどこの店もご年配な人ばかりですね。

地方の高年齢化問題が直に目に見えた感じでした。






なにやらとってもいい雰囲気のコーヒーショップ。


店の前に飾ってるのは古い水道口なのかね。


結構早い時間でしたけど、
店の中はかなりの客で賑わってました。





そして、 つ い に!

尾道ラーメンですよ!

ラーメンで有名なとこだと聞いて、
町中ラーメン屋で盛んでると思ったら、
商店街でみっけたラーメン屋は、
なんとたったの3軒でした。

で、この店の雰囲気が一番気にいったので、
ここでお昼を頂きました。
勿論尾道ラーメンを頼みましたよ!

それと宣伝ってわけじゃないけど、
店主の娘さんが凄く美人でした。






これで商店街の半分を通り過ぎ、
残り半分がシャッター街道になりつつあるとこを見て、道を少し南にずらし、
今度は海岸通りを回る事にしました。

南街道にある名物は、江戸時代の古跡爽籟軒などがありますが、
残念ながらこの日は閉園状態でした。
宮島のロープウェイといい、僕ってなんでこんなタイミングが悪いのか。

しかしまぁこの爽籟軒、中には入れないけど、
外の柵はそれほど高くなく、身長175センチほどあるなら、
ちとつま先で立って、首を伸ばせば中身がチラっと見えちゃう。

折角だからチラっと撮影もしちゃいました。
なんという盗撮。なんという背徳感。
女湯覗く輩もこういう気持ちであったのだろうか。微妙に恥ずかしい。




そことなくそのまま道を進むと、珍しい機械を発見した。

これはおのみち映画資料館の看板娘。撮影機ちゃんでした。

この映画館は昭和初期時代で生み出された数々の映画資料、
そして今となっては物凄くレアな当時のポスターが沢山陳列されてました。


内部はこんな感じで、
資料館内は尾道出身の、日本を代表する映画監督”小津安次郎”コーナーがあります。
寧ろこのコーナーがこの資料館のメインでしたね。
小津監督一生の作品が全部解説付きで展示されてます。

仮にも僕も映像関係の仕事に勤めてたこともあり、
ここで見た監督のさまざまなこだわりが、あぁなるほど、とうなずく事多々ありました。
映画が好きな人は是非一度ここに足を運んでもらいたいですねw



この映画資料館は入場有料ですが、
入場券購入の際、ここからそう遠くないおのみち歴史博物館のチケットも貰えます。

というわけで折角なので、その博物館とやらに出向いてみたんですが・・・


あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ
『おれは歴史博物館に入ったと思ったら、
展示されてるのは古い手紙と切符、あわせて6枚だけだった』
催眠術だとか客騙しだとか、
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

しかも内部撮影禁止だった。
そりゃ6枚全部写真とったら来る意味が無くなるな・・・



とまぁ、博物館の事は無かった事にしておき、
折角海岸沿いのとこまで散策にきたんだから、海を見ようぜ!





尾道南から船ですぐ隣の島、それがこの写真でも見える大きな丘が見える「向島」
向島は尾道より古い建物や街道があるらしく、
よくドラマの撮影スポットがあるとか、でも残念ながら今回はあちらにいく機会はなかった。


心地よい潮風に当たりながら、海岸沿い街道を30分ほど散策し、
ようやく今回の本題、山道に向かう事にした。



路線と家が限りなく近く、山とも限りなく近く、さらに隣家との限りなき近さ。
まさにカオス。
でもとことなくこの雰囲気が懐かしい。
あぁ、そうか・・これうちの国によく似てる混雑模様だなっと思い出す。

尾道は山道コースがいくつか分かれており、
おのみち文学の館めぐりコース
文学のこみちコース
古寺めぐりコース
と、あとは有名画家写生地めぐり、足形みちめぐりなどなど、
全部回ろうとしたら並大抵な体力じゃぶっちゃけ無理は話なので、
僕は気ままに適当で回る事にしました。


まず僕が目指したとこは、尾道を一望できると言う山の天辺にある展望台に決めました。
しかし、想像以上に道がしんどかった・・・


こんな凄い斜面の石階段を何キロも歩いて、
そして段々人影がなくなって、住処も見えなくなった時は流石に迷ったのかと心配したわ。


しかしそこを頑張って突き進んだ後、見えた景色は絶景でした。


因みに、これまだ天辺じゃないっす。まだ中間レベルでこんな景色が見れるんですよ。
一番前にある大きな建物は地元の小学。
ここ毎日通ってるチビっ子達、きっと凄い足腰になってるんだろうなw

あと、話は変わるが、
屋上で男の子と女の子がいちゃいちゃしてたのは、おじさん見なかったことにしてあげるよ。
チクショウー 青春してるなー(遠い目





何故かセンチメンタルな気持ちになって山を登り続ける僕、
その目の前に飛び込んできたのは、なんとも言えぬ怪しさなオーラを放つ城でした。
これ、浮いてね?

そういえばガイドの上には一切城のこと書いてないけど、
これは一体何だろうと、もっと近寄ってみる事にした。


どうみても心霊スポットです。本当にありがとうございました。
ちと中身をチラッと見たけど、かなりヤバイ雰囲気ぷんぷん出してますよココw
とにかく触らぬ神に祟りなし。さっさと退散。



さらに山の頂上を目指して登っていると、
かの有名画家写生地のシンボルを見つけた。


そして、これがかの画家たちが目にしたであろう全景。

実際もっと近寄って見たらもっと綺麗な景色が見れるだろうけど、
柵が一切ない、完全に無防備な崖だったので・・・
特に高所恐怖症でもない僕でも流石にビビったほどの高さであった。
微妙に風もつよいし、無駄な冒険は辞めとこうじゃないか・・・w

坂道続きの山道で疲れた足を少し休ませた後、
さらに山の上を目指し、また歩き始める。









気づいたら、いつの間にか文学コースと合流していた。



ここから道中、文章が刻まれた岩があちこちに置かれてました。 




千光寺公園



あちこちに奇妙な植木が羅列してる、


不思議な公園、よく見たらプールもありました。


ガイドによると桜なども植えてるらしいけど、

残念ながら3月なので、どれも枝のみですね。




しかし、ホント人がいないねっ!






尾道市立美術館



前衛的な建物でしたが、

残念ながらいい写真が取れませんでした。


展示物をゆっくり見る時間も惜しいので、

残念ながら今回は素通りしました。







千光寺境内の題字岩



1200年以上の歴史を持つ寺の境内で、

ようやく僕以外の観光客と出会う。



おじいちゃんおばあちゃんばかりの参拝客でした。



ガイドのおっちゃんが妙にハイテンションでワラタ。





ちと地平線が歪んで見えるのは錯覚じゃないよ?


この路面がヤバイんです!



すげー斜面の上、


ちょっとどころか、ものすごく道が外に偏ってる。


ここで転んだら間違いなく、

そのまま崖の下まで一直線ノンストップだわ。













千光寺の鐘。


除夜の鐘の音は隣島まで届くとか、

ここからも尾道市全体を一望できるスポットがありました。




境内の記念品売り場のお婆ちゃんが凄く口上手で、

若い観光客達に囲まれてました。










ようやく展望台に到着。

ここはロープウェイの乗り場でもあり、
凄く人が混雑してましたね。

特にカップルがな。

何せここには「恋人の聖地」と言うスポットがあるのだから。
流石に男一人でカップルの群れに突っ込んでスポットを取るとか、
ちょっと・・・・







あれ? デジカメの中にこんな写真が残ってるんですけど(棒読み)

突き刺さる視線がもはや快感になりつつあるな。
因みにカップルの顔が映りまくりでアップできないけど、
恋人の炎って言う、カップル二人で左右から押さないと火が灯せない装置があった。
その炎が二人の愛の証とかなんとか、と言う売りらしい。
くっ・・・これはメラゾーマじゃない、メラだ。




それよりも展望台から一望した景色を見ようではないか!



撮影し始めたら急に曇りだして、使える写真がこの2枚だけと言う。
タイミングの悪さにますます定評が付いていくオイラ。もはや何も言うまい。


高い所は満足したので、残り時間を古寺めぐりに使うことにした。
登る時はマジ半端ない労力を使ったのに、降りる時はロープウェイでスーイスイ。
因みにロープウェイで山頂にも登れるということを知る。
だから・・・道中誰も居なかったのか、このモヤシどもめ・・・っ!




ロープウェイの上で撮影した千光寺と、尾道町並み。



尾道は自然に囲まれてる町だけじゃなく、
古い歴史を持つ寺にも、数多く囲まれている。
当地の人は、この町の事を神々とともに住む町と言うのも納得できる。

古寺めぐりコースをじっくり歩くと二十五の古寺と出会えるけど、
流石に時間がきついと思うので、いける分行ってみることにした。


まず着いたのは、ロープウェイ真下にある神社。
神社」
最初の文字の読みはうしとら
尾道最古の神社でもある。

境内上にロープウェイ落下防止フェンスがある
正直神様の頭上を通るのはどうなのかと、
っと思ってしまう神社であった。



そして、境内もっとも目立つ巨大な神木。

樹齢900年とも言われる、
天然記念物である。

時のかける少女などのロケ地にもなったとか。







「御袖天満宮」




境内に上がる階段左右に、


咲いた花がとっても綺麗だった。


そして、境内の敷地が、となりの大山寺と繋いでるのにも驚いた。
日本の八百万神様はホントおおらかですな。








寺めぐりも楽しいけど、
やっぱこう言う古い町並み探索も楽しい。

狭い通り道、
三角屋根、
古びた駄菓子屋。

全てが懐かしい。








「大山寺」



大山寺の鐘

ここからも尾道の町並みを一望できます。



でもわざとアングルを境内に向けてみた。



日本のお寺ってホント自然の緑と融合してて、

禅という味が出てますね。






大山寺境内
そこは一面の花世界。
お手入れがきっと大変でしょうねw

あたり一面が庭園みたいで、
とっても心が落ち着く。









「蓮花阪」

読みはれんがさか



レンガと蓮花をかけてるのかw

洒落た名前ですねぇ。

古き小路に現代風を加えた、
少しオシャレな通り道。



パシャパシャっとシャッターを切らしてたら、

後ろからリンリンと言う声が段々と近づいてくる。



振り向いて見れば、現地民参上。

全く人を怖がらない
人懐っこい子でした。

呼んだらそのままつてきちゃって、
逆に困りましたw

どうしよう、
飼い主居そうだけど、
勝手についてきて大丈夫なのだろうか?




巨大なわらぞうりが目立つ

「西國寺」

この境内では石階段が非常に多く、
上がるのにも、降りるのも一苦労した。

巨大な不動明王像は一見する価値ありです。




そして西國寺最大セールスポイント

「三重の塔」

ここも名画家がかつて写生してた場所とか。
塔内付近へは立ち入り禁止だったので、
これ以上は近づけず。







燈篭がずらーと並んだ階段。
こういう景色は日本ならではの光景なのです。


夜になったらさぞ、美しく灯されてるだろうなー。




境内を全部回って、階段下りてくるまで、
虎柄の大将がずーと待っててくれました。

どこぞやのハチ公ですか、あんたw

しかし、あげれるご褒美を持ち合わせてなく、
どうしようかと思ってたら、
大将は別の参拝客のおばあさんについて行かれました。
今日もパトロールご苦労さまです。



日も暮れてきたし、

そろそろ帰路に着こうと歩き出したら、
凄いモノが目に映った。

神社の境内で電車が通ってる・・・


神さまおおらかってレベルを超えてないか、これw












電車で驚いてたら、更に魂消た。


この神社の鳥居、
住家と商店の間に挟まれてるんですけど?

もうなんでもありなんだな。

もはや神様は生活の一部、人神共存か、
これはこれで素晴しいなw












すっかり夕日でオレンジに染まりつつある空。

下校した学生のざわめきと、
今晩の献立を買い求める婦人で、

町は溢れかえってた。

あぁ今日もそろそろ終わるんだなぁっと、
実感が湧いてくる。





帰り道はわざとまた商店街に戻ってきた。


歴史と自然を一日満喫したこの身だ。

最後は現実的な日常が恋しくなる。

どう古来の在りし日が恋しくても、
その時間まで遡れはできない。

結局僕は、この時を生きるしか出来ないからね。











でもせめて、このように夢を追いかけれる自由が、僕にある事に感謝したい。
この一日では到底回りきれない尾道探索の旅続きは、
果たして、何時になるのやら。
楽しみでならないよ。







2011年2月25日、尾道紀行。



最後におまけの一枚。







0 件のコメント:

コメントを投稿